前回の記事「SEO」のついでに「PV」という言葉も調べた。昭和的にはPVとはプロモーションビデオなのだけれど。時代はすっかり変わった。
コンピュータ用語としてのPV=page view(ページビュー)
ブログを始めてからPV数という言葉も目にするようになった。閲覧回数のことだろうとは察しはついたが、ページビューの略だったとは。スーパー大辞林(小学館)には次のように説明があった。
ページビュー(page view) ウェブサイトへのアクセス量を判断する基準のひとつ。一定期間内に、サイト内のウェブページが、アクセスしたユーザーによって表示された回数を指す。
ちなみに、我が家の英語の辞書(英和中辞典/小学館/2012年/第5刷)にはPVもpage viewも掲載されていなかった。仕方なくgoogleで検索してみたことろ、PV can stand for photovoltaics, a technology that converts sunlight into electricity, or polycythemia vera, a blood cancer….という具合に、まずは太陽光発電(photovoltaics)という単語が、次に真性多血症(polycythemia vera)という病名が表示され、その後ようやくコンピューター用語としてのPVが以下のような説明で見つかった。Page views: A social media acronym for the number of visitors to a specific page…なかなか検索に表示されないので、PVは和製英語なのかと訝しく思ったが、英語圏での存在も確認できた。
日本のPV=プロモーションビデオとパブリックヴューイング!
我が家にある複数の国語辞典には、PVという言葉は収載されていなかった。以下、日本の代表的PV。スーパー大辞林とgoo辞書から抜粋した。
プロモーションビデオ(promotion video)
[和製英語]ビデオクリップ(video clip)
宣伝・販売促進用のビデオソフト。特に宣伝用のミュージックビデオのこと。
パブリックビューイング(public viewing)
一般公開のこと。天文台で望遠鏡を一般に開放するイベントや、街頭や競技場の大型スクリーンでスポーツ競技を中継するイベントなど。
太陽光発電もPV?(要チェック!photovoltaicという単語)
英語版ウィキペディアでPVを調べていたら太陽光発電が最初に出てきた。太陽光発電といえば日本ではsolar power generation(ソーラーパワー)が一般的だが、photovoltaic power generationという表現もあり、日本でも太陽光発電を指す言葉としてPVが広がりつつあるようだ。以下、英和中辞典(小学館)より関連単語を少し調べてみた。
photovoltaic [物理学]光起源の。PV
photovoltaic cell [物理学]光電池。PVセル
voltaic (化学作用によって生じた)電流の・直流電気の
以上は古い辞書にも収載されている単語。現在は、photovoltaicの語尾にSをつけたphotovoltaicsが太陽光発電を指す名詞として使用されているようだ(地域により多少異なる)。
photovoltaicの発音記号をCambridge Dictionaryからコピペさせてもらった。
UK/ˌfəʊ.təʊ.vɒlˈteɪ.ɪk/US/ˌfoʊ.t̬oʊ.vɑːlˈteɪ.ɪk/
カタカナだとフォートーボーテイークみたいな感じ(笑)
世界にはPVが溢れている(abbreviation集を覗いてみよう)
What does PV stand for? と入力して検索してみると、英語の略語(abbreviation)を集めたサイトが複数現れた。中を覗くと夥しい(おびただしい)数のPVが存在した。複数のサイトで「使用頻度が高い」と評価されていた単語のごく一部を取り上げた。日本で使用されている言葉もある。主にAbbreviations and acronyms databaseというサイトを参考にさせてもらった。
present value[金融]現在価値(将来の価値から金利などを割り引くことで導き出した現在時点の価値・割引現在価値とほぼ同義)
promotional video(短:promo video)[一般]プロモーションビデオ
pole vault(短:pole)[スポーツ]棒高跳び
power voltage [一般]電圧
payment voucher[金融]支払い証書(国により異なるが日本では領収書に相当)
photovoltaics(photo-voltaic)[科学]太陽光発電
polycythemia vera[医]真性多血症
今回取り上げなかったPV。意外なことにPage Viewは高使用頻度の中には入っていなかった。
petavolt/ Plastic Viscosity/ Physical Volume/ Pore Volume/ Pleasant Village / Peak To Valley/Pulsed Vertical/ Prime Vendor/ Production Validation/ Point Value
おまけ(ついでにabbreviationとacronymも覚えてしまおう!)
略語(りゃくご)と頭字語(とうじご)について調べておこう。
abbreviation 略語・短縮・省略形
UK/əˌbriː.viˈeɪ.ʃən/US/əˌbriː.viˈeɪ.ʃən/
acronym 頭字語
UK/ˈæk.rə.nɪm/US/ˈæk.rə.nɪm/
カタカナで書くと、アブリビエイションとアクロニム、かな。
略語とは、元の語形の一部分を省略して簡略した語。
頭字語は、略語の一種。NATOのように単語の先頭の文字を組み合わせて作られた語。
NATO=North Atlantic Treaty Organization(北大西洋条約機構)
UFO=Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)
頭字語はさらに①acronymアクロニム ②initialismイニシャリズムに分類される。NATOをナトーとかネイトーと読むのがacronym。UFOをユーフォーと読むのもacronym。ユーエフオーと読むのはinitializm。どちらの方法で読むかはお国次第ということだ。
コンピュータ用語のPVのことだけ書く予定だったのに長くなってしまった。私のブログは最初の章がメイン。あとはおまけ。ブログを始めて思うことは、記事を書くのが楽しい。知らないことに出会えるのも、それを心ゆくまで調べるのも楽しい。たとえPV数が0でも幸せだ。2024年10月
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